INTRODUCTION
 『トータル・イクリプス』第1部の連載終了から約1年。シナリオに仮想戦記作家として活躍中の内田弘樹氏、キャラクターデザイン・原画に、『顔のない月』、『ヤミと帽子と本の旅人』、『PARASOL』などを手がけた人気イラストレーター・CARNELIAN氏を揃えた新連載。『マブラヴ オルタネイティヴ』の物語が描かれた2001年より遡ること18年前。人類は1978年に行われたミンスクハイヴ攻略作戦"パレオロゴス作戦"で大敗を喫し、BETAの攻勢の前に欧州各国の防衛線は崩壊寸前となってしまう。絶望的な状況下で、東ドイツ軍に所属する若き衛士テオドールは、第666戦術機中隊の指揮官・アイリスディーナたちと共に、地獄のような戦場で戦いを繰り広げていく。
 地球上における人類とBETA の戦いは、1973 年に中華人民共和国新疆ウイグル自治区カシュガルに、月面から飛来したBETA 降着ユニット、いわゆるオリジナルハイヴが落下したことで開始された。当初、中国軍は優勢に戦いを進めていたが、突如として航空戦力を無力化する光線属種が出現し、人類は制空権を奪われる。航空支援、面制圧砲撃ができなくなった人類は、以後、圧倒的物量を誇るBETA の進撃に各地で後退を重ねることになった。1983年現在、BETA群はユーラシア大陸に拠点と思われるハイヴを8つ建設し、勢力を拡大しつつある。
 BETAとは、"Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race"の略で、"人類に敵対的な地球外起源種"を指す。1967年の第一次月面戦争勃発以来、人類最大の敵となっている存在である。惑星間を移動可能なだけでなく、地球上のいかなる環境においても適応する生命力を持っていることが判明しているが、言語やその他のコミュニケーション能力があるかは不明であり、その目的もまた謎である。1983年現在、7種のBETAが確認されており、それらは大型種、小型種、光線属種に分類されている。
 1974年から実戦投入が開始された対BETA戦における人類の切り札、それが戦術歩行戦闘機――戦術機である。航空支援のない状況下での戦闘を前提としており、様々な戦場での運用が可能となっている。動力は本体を駆動させる燃料電池と、機体に高速機動性を与える跳躍ユニットで、特に後者は数的劣勢下でBETAに対抗しなければならない戦術機にとってなくてはならない装備である。